生命保険と違い、重複加入がそのままムダになる理由とは?
保険というと「入っておけば安心」「足りないより多めに」と考えがちですが、
実は “かけ過ぎると損になる保険” があるのをご存じですか?
そう、それが 損害保険(損保)。
- 火災保険
- 自動車保険
- 旅行保険
- 個人賠償責任保険
- 自転車保険 など
これらはいずれも “実損てん補(実際に発生した損害分だけ補償する方式)” のため、
加入し過ぎても一円たりとも多くはもらえません。
むしろ、
「しっかり入っているつもりが、ムダな保険料を払い続けていた…」
というケースが本当に多いのです。
1. 生命保険は重複しても“もらえる”が、損害保険はもらえない
まず大前提。
■ 生命保険(医療保険・がん保険など)
👉 給付金は“契約した分だけ”もらえる
👉 複数加入していれば、そのぶん給付は増える
例:がん保険Aで診断給付金100万円、がん保険Bで診断給付金50万円
→ がんと診断されたら 150万円を満額受け取れる
だから生命保険は重複があっても“無駄ではない”場合が多い。
■ 一方、損害保険は…
👉 実際に被った損害しか受け取れない(実損てん補)
👉 複数加入しても補償額は増えない
👉 上限以上は払われない
つまり、同じ損害を2つの保険会社へ請求しても、合計額は1回分の損害額まで。
2. 具体例:“かけ過ぎ”ケース
例①:自転車事故でケガ → 医療実費3万円
- A保険(自転車保険)…医療実費補償
- B保険(個人賠償+傷害保険)…医療実費補償
どちらも“実費3万円まで”の補償が付いている。
しかし、実際の医療費が3万円なら…
👉 受け取れるのは合計3万円まで。
Aで1.5万円、Bで1.5万円でもOKだが、どちらか片方でもOK。
つまり…
どちらか片方の保険料が“完全にムダ”になります。
例②:家の火災で損害600万円
- 火災保険A:補償1,000万円
- 火災保険B:補償1,000万円
ダブルでかけて「2000万円の補償があるから安心♪」と思っていても…
👉 実際の損害が600万円なら
受け取れるのは600万円まで。
Aから300万円、Bから300万円など分割はされても、
合計額は損害額以上には絶対になりません。
もちろん、事故でどれくらい損害が出るのかはわからないもの。
まずはどれぐらい補償をかけているかを把握していることが何よりも重要です。
例③:スマホが壊れた!修理代2万円
- クレジットカードの携行品補償
- 火災保険の携行品補償
- 携帯キャリアの補償サービス
この3つ、知らずに重複している人は多いです。
しかし実際の修理費は2万円。
👉 どれだけ保険に入っていても、受け取れるのは最大2万円
という悲しい現実…。
3. なぜ損害保険は“実損てん補”なのか?
損害保険は、
- ケガの治療費
- 壊れた物の修理代
- 実際に発生した損害
を補うための保険。
もし複数加入で損害額以上もらえてしまうと、
保険金目的の事故(モラルリスク)が増えるため、
法律や約款でしっかり禁止されています。
4. 気づかず補償が重複していることが圧倒的に多い3つの保険分野
■ ① 携行品(スマホ・カメラ)
カード・火災保険・端末保証で重複しがち。
■ ② 自転車保険
実は“個人賠償責任保険”に加入していれば代用できるケース多数。
二重で入っている人がかなり多い。
■ ③ 傷害保険
学校の“こども総合保険”と私の傷害保険で重複している例も。
5. まとめ:損害保険はかけ過ぎ注意!重複チェックで家計が軽くなる
- 生命保険は重複加入=給付アップする
- 損害保険は重複加入=保険料が無駄になるケースも
- 損害保険は実損てん補方式なので、補償額以上は絶対にもらえない
- クレカや火災保険の特約と被りやすいので要チェック
もちろん事故でどれだけの損害が出るかは誰にもわかりません。
ですが、何にどれだけの保険をかけているのか把握することがとても重要です。

